一戸建てで下水のにおいがする原因|雨と関係なく続くときの切り分け方

「家のどこかから下水のようなにおいがする」。一戸建てにお住まいの方から、季節や天気に関係なくこのご相談をいただくことがあります。雨の日だけにおうのであれば原因の見当はつけやすいのですが、晴れた日にも続くにおいは、住んでいる方ほど慣れてしまって場所を特定しにくいものです。この記事では、においの出どころを1か所に絞り込む手順と、原因ごとの対処、業者に相談したほうがよい目安を、水道業界歴27年の視点で整理します。
まず「どこがにおうのか」を1か所に絞ります
下水のにおいは空気に乗って広がるため、においを感じた部屋に原因があるとはかぎりません。原因を探すときは、部屋ではなく排水口の単位で確認していくのが近道です。
ご自宅にある排水口を数えてみてください。台所のシンク、洗面台、浴室の床、浴槽、洗濯機の排水口(洗濯パンの下)、1階と2階のトイレなど、一戸建てでは思っているより多いはずです。それぞれの排水口に鼻を近づけて、においが強くなる場所を探します。窓を閉め切って数時間置いたあと、朝いちばんに確認すると差が分かりやすくなります。
1か所に絞れたなら、その排水口の下にある部品の問題である可能性が高くなります。逆に、複数の排水口が同時ににおう、あるいは特定できないほど家全体がにおうという場合は、屋外の配管や空気の流れなど、家全体に関わる原因を疑うことになります。
においを止めているのは排水口にたまった水です
排水口の奥には、水がたまるように曲がった「排水トラップ」と呼ばれる部分があります。長崎市の下水道のページでは、トラップは「下水管内に発生した悪臭等が家屋内に進入するのを防ぐためのもの」で、「水がたまる部分を作ることによって、気体の通過をさえぎる」仕組みだと説明されています。
つまり、においを止めているのは器具でも部品でもなく、たまっている水そのものです。この水が減ったりなくなったりすると、下水道の空気がそのまま室内に上がってきます。
一戸建てでとくに多いのが、普段まったく使っていない排水口です。来客用のトイレ、2階の洗面台、使っていない和室の手洗い、勝手口の流し、ふだん使わない2階の浴室などは、水を流す機会がないぶん、たまっていた水が少しずつ減っていくことがあります。心当たりがあれば、コップ数杯の水をゆっくり流してみてください。数分から数時間でにおいが弱まるようであれば、原因はこれだったということになります。長く家を空けたあとに気になり始めた場合も同じです。
においが戻らないよう、使っていない排水口は月に一度ほど水を流す習慣にしておくと安心です。長期不在で家を空ける前にやっておきたい水まわりチェックもあわせてご覧ください。
浴室のにおいは、部品が外れているだけのことがあります
浴室の床の排水口がにおう場合、意外と多いのが部品の脱着です。東京都下水道局のよくある質問では、風呂場の排水口のにおいについて「トラップがついていないか、正しく機能していない可能性があります」とされ、逆さまのコップ型のトラップが水の流れを良くするために外されていることがあるため、まず外れていないかを確認するよう案内されています。
掃除のときに外して戻し忘れる、髪の毛が流れやすいからと意図的に外す、といったことは実際によく起こります。ヘアキャッチャーの下にある、伏せたお椀のような部品がきちんと収まっているかを見てみてください。ここが外れていると、においだけでなく小さな虫の通り道になることがあります。
台所の場合は、トラップに油が厚くこびりついて水の通りが悪くなり、においがこもることがあります。掃除の手順はキッチン排水口が臭い原因と自分でできる対策にまとめています。長崎市のページでも、月に1回程度、ふちの油分を落とし、底のごみを水を流しながら取り除くことがすすめられています。
「ゴボゴボ」という音を伴うにおいは、空気の通り道の問題かもしれません
においと同時に、洗面台やトイレから「ゴボゴボ」という音がする。別の場所で水を流したときに、離れた排水口の水面が動く。こうした症状が重なる場合は、排水管の中の空気の流れを疑います。
排水管は、水だけでなく空気の通り道でもあります。通気弁メーカーの森永エンジニアリングの解説では、排水管の中で円滑に排水を流すには適切な量の空気が必要であり、「排水時に『ゴボゴボ』と音がしたり、下水臭がしたりする場合は、取り込む空気量の不足が原因の一つとして考えられます」と説明されています。醤油さしの小さな穴を指でふさぐと中身が出にくくなるのと同じ理屈です。
一般に、空気が足りないまま水が流れると、管の中が一時的に引っぱられた状態になり、近くの排水口にたまっている水まで一緒に引き込んでしまうことがあると言われています。水が減れば、そこはにおいの通り道になります。屋外に立ち上がっている通気管の先が落ち葉や虫の巣でふさがれている、屋内の通気弁が経年で動かなくなっている、といった原因が考えられますが、いずれもご自身での判断は難しい部分です。音とにおいがセットで出ている場合は、点検をご依頼ください。
屋外の排水マス・接続ますも確認します
一戸建てでは、宅内の配管が屋外の「排水マス」を経由して道路の下水道へつながっています。マスのふたを開けたときに、汚水がたまったままになっている、油の塊や土砂が見える、木の根が入り込んでいるといった状態であれば、屋外側で流れが滞っており、それがにおいの原因になっていることがあります。ただし、ふたは重く、無理に開けると破損やけがにつながります。開けられない場合や中の状態が分からない場合は、無理をせず点検をご依頼ください。排水マスの役割と点検の考え方は排水マスとは?戸建て住宅オーナーが知っておくべき役割と詰まり対策で解説しています。
ここで押さえておきたいのが管理の区分です。横浜市西区の下水道のページでは、宅地内の「排水設備」は「設置者・利用者が自ら維持管理を行う必要があります」と明記され、つまりやあふれが生じている場合はご自身で業者へ連絡する必要があるとされています。一方で、公共下水道へ排水するための私有地内の最終ます(接続ます)であふれている場合は、市が管理する公共下水道側でつまりが生じている可能性があるため、土木事務所へ連絡するよう案内されています。同じ屋外でも、どのますで起きているかによって連絡先が変わるということです。なお、窓口は自治体によって異なります。川崎市の場合、上下水道局のページでは公道内の公共下水道について地区ごとの下水道事務所(川崎区・幸区=南部、中原区・高津区=中部、宮前区=西部、多摩区・麻生区=北部)が案内されています。横浜市は各区の土木事務所、東京23区は東京都下水道局の出張所が窓口です。なお川崎市も宅地内については「維持管理は各ご家庭で行っていただくものです。排水管などの工事を行っている業者へ連絡してください」としており、宅地内は所有者側という考え方は各市に共通しています。組織の名称は変わることがありますので、連絡の前にお住まいの自治体の最新の案内をご確認ください。
なお、家の中ではなく道路のマンホールのあたりからにおう場合もあります。東京都下水道局のよくある質問では、マンホールからの臭気の主な原因として「下水道管の詰まりや堆積、また、付近にあるビルの排水槽からのもの」が挙げられており、においの発生場所と原因を調査するため、該当地域を担当する下水道局の出張所へ連絡するよう案内されています。ご自宅の設備をいくら点検しても原因が見つからないときは、外側を疑ってみてください。
雨や台風のあとだけ強くにおうという場合は、また別の見立てになります。こちらは雨の日に下水のニオイが強くなる原因と対処法で詳しく解説しています。
「においの点検をさせてほしい」と訪ねてくる業者にご注意ください
においが気になっているときは、訪問してきた業者の話を受け入れてしまいやすいものです。横浜市は下水・排水設備の点検商法について注意を呼びかけており、実際に報告されている手口として、次のような例が挙げられています。
▶「近くで下水道工事をしているので、臭いが宅地内の排水設備から出ていないか点検させて欲しい」と言って汚水ますのふたを開け、勝手に消臭剤をまき、その代金を請求する
▶「市役所の方から来た」「役所の紹介で来た」など、市役所と関係があるような紛らわしい言い方で訪れ、修理や清掃を迫る
▶「今なら無料」などと言って点検し、不良箇所を見つけて強引に修理を迫る
▶ 断ると威圧的な態度に出て、強引に契約を迫る
横浜市は、下水道河川局や水道局が行う下水道工事・水道工事では、濁りや臭いを抑えるために薬品を配布することはないとしたうえで、こうした訪問には「絶対に家に入れない。固く断りましょう」と呼びかけています。ご自身で依頼していない業者が突然訪ねてきた場合は、その場で判断せず断って構いません。
逆に、ご自身で依頼して来てもらう場合は、作業前に見積書で内訳を確認できるかが判断材料になります。確認しておきたい項目は水道工事の見積書で必ず確認すべき5つの項目にまとめました。なお、値引きや割引がある場合も、その場で契約を迫られるかどうかが分かれ目です。金額の内訳が書面で示され、持ち帰って検討できるのであれば、割引そのものは問題ありません。
業者に相談したほうがよい目安
次のような状態は、ご自身での対処が難しい範囲に入っています。
▶ 水を流してもにおいが戻らない、または数日でまたにおい始める
▶ 複数の排水口が同時ににおう
▶ においと一緒に「ゴボゴボ」音や、排水口の水面が動く現象がある
▶ 屋外の排水マスに汚水がたまったままになっている
▶ 床や壁が湿っている、床下からにおう(配管の破損が疑われます)
とくに最後の1つは、においだけでなく建物の傷みにつながります。床下の配管は普段目に入らないため、点検口からの確認や機器を使った調査が必要になります。
下水のにおいのご相談はライフアートへ
においは、原因が分かってしまえば水を流すだけで解決することもあれば、屋外配管の洗浄や部材の交換が必要なこともあります。ライフアートは水道業界歴27年、年中無休24時間でご相談をお受けし、川崎市・横浜市・東京23区へお伺いします。出張のお見積もりは無料です。作業前に内訳をご提示し、ご納得いただいてから着手します(当日ご契約の場合は4,000円割引、作業は最低料金1,000円〜)。どこがにおうのか分からないという状態でも構いませんので、まずはご連絡ください。
▶ お電話:044-385-1384(年中無休)
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